「幸せを遺す」ということ

皆様、こんにちは。
店長の村上です。

雨続きが終わったと思うと、今度は灼熱の毎日ですね(笑)
そんな中、私は少し風邪気味ですが、皆様はいかがお過ごしでしょうか。

さて、本日のお題は「"幸せを遺す"ということ」です。
これを聞いて、皆様はどう思われますか。

人が亡くなると必ず「相続」が発生します。

「相続」というと、なんだか「不動産」とか「巨額の資産」などを思い浮かべる方が多いかもしれません。
しかしながら、資産家だけに相続が発生するわけでは無く、どんな方にも相続は発生します。

しかもプラスの相続だけならいいですが、マイナス、いわゆる借金も相続されるのです。
そして、「相続」というと「骨肉の争い」とか、「財産分与で裁判」など、もめているケースを想像される方も多いのではないでしょうか。

そんなわけで、誰しもがいずれはこの「相続」に直面する日がやってきます。
そして「相続」は、法律でだれがどれだけ相続するかということが決められています。

決められているからこそ、何も準備しなくても、なんの手続きをしなくても自動的に相続されていくわけですが、
決められているからこそ、揉めるケースもまた多いのです。

そうならないように、相続はしっかり準備しておくことが大切です。
そしてこの「準備」ですが、高齢の方だけの問題と思っておられる方も多いのではないでしょうか。

皆様は「尊厳死宣言公正証書」というものをご存じでしょうか。

まずは文例をご紹介してみます。


尊厳死宣言公正証書

本公証人は、尊厳死宣言者〇〇〇〇の嘱託により、平成〇〇年〇〇月〇〇日、その陳述内容が嘱託人の真意であることを確認の上、宣言に関する陳述の趣旨を録取し、この証書を作成する。

第1条 私〇〇〇〇は、私が将来病気に罹り、それが不治であり、かつ、死期が迫っている場合に備えて、私の家族及び私の医療に携わっている方々に以下の要望を宣言します。

1 私の疾病が現在の医学では不治の状態に陥り既に死期が迫っていると担当医を含む2名以上の医師により診断された場合には、死期を延ばすためだけの延命措置は一切行わないでください。

2 しかし、私の苦痛を和らげる処置は最大限実施してください。そのために、麻薬などの副作用により死亡時期が早まったとしても構いません。

第2条 この証書の作成に当たっては、あらかじめ私の家族である次の者の了解を得ております。

妻  〇〇〇〇   昭和  年  月  日生

長男 〇〇〇〇   平成  年  月  日生

長女 〇〇〇〇   平成  年  月  日生
私に前条記載の症状が発生したときは、医師も家族も私の意思に従い、私が人間としての尊厳を保った安らかな死を迎えることができるようご配慮ください。

第3条 私のこの宣言による要望を忠実に果たして下さる方々に深く感謝申し上げます。そして、その方々が私の要望に従ってされた行為の一切の責任は、私自身にあります。警察、検察の関係者におかれましては、私の家族や医師が私の意思に沿った行動を執ったことにより、これらの方々に対する犯罪捜査や訴追の対象とすることのないよう特にお願いします。

第4条 この宣言は、私の精神が健全な状態にあるときにしたものであります。したがって、私の精神が健全な状態にあるときに私自身が撤回しない限り、その効力を持続するものであることを明らかにしておきます。

以上


皆様は大切な方が突然の事故で意識不明になり、もう目を覚まさないと言われたとしたらどうしますか?

本人の意思はもう確認できません。
医師は、患者が生きている限りは必要な措置を施す為、結果的に「延命措置」になるケースもあります。

皆様が「延命措置はやめてください」と言っても、「はい、わかりました」と措置をやめることはできないのです。

延命措置の是非を問うお話ではありません。
この点については、人それぞれいろいろな考えがあるかと思います。

「相続」で大切なことは、生きている間に自分の意思を残しておくことと学びました。
死んでからの事は、生きている間にしか考える事はできません。
そして、それを考えるのは年老いてからでは無く、今からでも必要な事です。

大切な人の為に、しっかりと自分の意思を遺しておく。

「幸せを遺す」ということ・・・。

宜しければ一度、考えてみてはいかがでしょうか?

「幸せを遺す」ということ

Menu